扁平足が「自律神経の乱れ」を引き起こすメカニズム
「扁平足(へんぺいそく)」は、単なる足の形の問題ではなく、全身の姿勢と自律神経のバランスにまで影響を及ぼす可能性があります。
その主なメカニズムは、以下の「衝撃の連鎖」と「呼吸の制限」にあります。
1. 衝撃吸収の低下から姿勢の歪みへ
扁平足とは、足裏にある「土踏まず(足のアーチ)」が崩れて平らになった状態です。このアーチには非常に重要な2つの役割があります。
①クッション(免震)作用:
地面からの衝撃を吸収し、体全体へ伝わる負担を和らげる。
②バネ(推進)作用:
地面を蹴る力を生み出し、効率的な歩行を可能にする。
扁平足になると、このクッション機能が失われ、着地のたびに過剰な衝撃が直接、膝、股関節、腰、そして背骨へと突き上げられます。
体の歪み:衝撃を逃がそうとして、骨盤や背骨が微妙に歪みます。この歪みは連鎖的に、首(頸椎)や頭の位置にも影響を及ぼします。
2. 姿勢の歪みから自律神経の緊張へ
姿勢の歪みは、自律神経の働きを乱す大きな要因となります。これは、主に首の緊張と呼吸の浅さを通じて起こります。
A. 首の過緊張(交感神経の刺激)
扁平足による足元の不安定さを補おうとして、無意識のうちに上半身、特に首や肩の筋肉が常に力んだ状態になります(代償作用)。
▶︎自律神経への影響:
首や肩の筋肉が慢性的に緊張すると、首の骨(頸椎)周辺にある**自律神経の重要なルート(交感神経)が刺激を受けやすくなります。その結果、体が「常に戦闘モード(交感神経優位)」**になり、リラックスモードである副交感神経がうまく働かなくなります。
◯症状: めまい、頭痛、肩こり、不眠、慢性的な疲労感などが現れやすくなります。
B. 呼吸の制限(副交感神経の不活性化)
扁平足からくる姿勢の歪みは、猫背や巻き肩につながりやすいと指摘されています。
▶︎胸郭の制限:
姿勢が悪くなると、肋骨で囲まれた胸郭(きょうかく)の動きが制限され、肺が十分に膨らみにくくなります。
▶︎浅い呼吸の連鎖:
これにより、深い呼吸ができなくなり、浅く速い呼吸が癖になります。深い呼吸(腹式呼吸)は、リラックスを司る副交感神経を活性化させる最も簡単な方法です。浅い呼吸が続くと副交感神経が十分に働かず、自律神経がアンバランスになります。
◯症状: 眠りが浅い、集中力の低下、常に体がだるいといった慢性的な疲労に繋がります。
3. 根本改善のための対策の方向性
扁平足が原因で自律神経の不調を感じる場合は、足元から全身のバランスを整えることが、問題の根本解決に繋がる可能性があります。
「病院で検査しても異常がないのに体調が悪い」という方は、体の土台である足元に目を向けてみてください。専門の医療機関や整骨院・整体院などで、足を含めた全身的なチェックを受けることを強くおすすめします。
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高校卒業後に君津市にある千葉医療福祉専門学校へ入学し、国家資格である理学療法士の免許を取得。卒業後は、木更津市にある君津中央病院へ入職し、整形外科・脳外科・神経内科など様々な診療科目におけるリハビリテーションを学びながら2年間勤務。その後、富津市にある加藤大介クリニックに開業から約20年間勤務し約50000万人の方を施術し、それと同時にスポーツトレーナーとして高校野球部をサポート。昨年2024年4月に木更津市に整体oasisを開業。整体業のほかに地域のスポーツ団体にスポーツ障害の予防を指導し、地域で活動中。












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