なぜ「もも裏」への介入が不可欠なのか?
■ はじめに
「坐骨神経痛」という言葉を聞くと、多くの方が腰椎椎間板ヘルニアなどの「腰の問題」を連想されます。しかし、臨床現場において、腰部へのアプローチだけでは症状が停滞するケースも少なくありません。
近年の研究では、坐骨神経の滑走性(スライディング機能)と、それを取り囲む*ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)の状態が、痛みやしびれの増悪に深く関与していることが明らかになっています。
今回は、医学的知見に基づき、そのメカニズムと対策を解説します。
■ 原因:解剖学的・生理学的視点からの考察
なぜ、ハムストリングスが坐骨神経に悪影響を及ぼすのでしょうか。
1. 解剖学的絞扼(こうやく)メカニズム
坐骨神経は、梨状筋下孔を通過した後、大腿二頭筋(長頭)の深層を走行します。医学的論文においても、「坐骨神経は大腿後面の筋肉群と物理的に近接しており、筋肉の線維化や高緊張が神経を物理的に圧迫する(絞扼性神経障害)」ことが指摘されています。特にハムストリングスの緊張は、神経の外膜に対する圧力を高め、伝導障害を引き起こす要因となります。
2. 生理学的側面:神経の虚血と炎症
生理学的には、筋肉の持続的な収縮(高緊張)は局所の血管を圧迫し、微小循環障害(虚血)を招きます。神経組織は非常に酸素消費量が多く、血流不足に対して敏感です。血流が滞ることで「神経内浮腫」が生じ、これが慢性的なしびれや痛みを誘発する化学的刺激物質(ブラジキニン等)の放出を促進させると考えられています。
3. 神経滑走性(Neural Mobility)の低下
最新のバイオメカニクス研究では、人体が動く際、神経は周囲の組織に対して数ミリ〜数センチ単位で「滑る」必要があるとされています。ハムストリングスと神経を包む筋膜が癒着(アドヒージョン)すると、この滑走性が失われます。これを「ダブルクラッシュ症候群」の概念で説明する論文もあり、腰部での軽微な圧迫に末梢(もも裏)での滑走不全が加わることで、症状が顕著化するのです。
■ 対処法:エビデンスに基づくアプローチ
当院では、単なるマッサージではなく、以下の医学的根拠に基づいた介入を行います。
●神経動態の改善(ニューラルモビライゼーション)
癒着した神経と筋肉の滑走性を回復させ、神経内の血流を促進します。
●筋膜リリースとトリガーポイント療法
ハムストリングス内に形成されたトリガーポイント(痛みの引き金)を解除し、骨盤の後傾を補正します。これにより腰椎への力学的負荷を軽減します。
●バイオメカニクスの修正
ハムストリングスの過緊張を生んでいる「運動連鎖」の異常を特定し、再発を防止します。
■ セルフケア:組織間を解放する「筋間マッサージ」
ストレッチで無理に伸ばすと、過敏になった神経をさらに刺激(牽引ストレス)する恐れがあります。
エビデンス的にも、まずは「組織間の癒着剥離」を優先することが推奨されます。
徒手による筋間リリース
①ターゲットの把握
太もも裏の真ん中には、外側(大腿二頭筋)と内側(半腱・半膜様筋)の境界線があります。
②筋間のキャッチ
椅子に座り、両手の指先をその「溝」に深く沈めます。
③横断マッサージ(Cross-friction)
筋肉の走行に対して直角に、優しく左右に揺らします。
▶︎論文的根拠
この横断的な刺激は、組織間の微細な癒着を剥がし、ヒアルロン酸の流動性を高めて滑走性を改善する効果(筋膜マニピュレーションの原理)が期待できます。
▶︎注意点
強く押しすぎて「神経痛」が増悪しないよう、持続的な圧迫ではなく「揺らす」ことを意識してください。
■ 終わりに
坐骨神経痛は、単なる「腰の病気」ではなく、下肢の軟部組織との相互作用によって生じる複雑な病態です。医学的エビデンスに基づいた適切なアプローチを行えば、長年悩まされていたしびれも改善の道が見えてきます。
「この痛みとは一生付き合っていくしかない」と諦める前に、ぜひ一度、構造と機能のプロフェッショナルである当院にご相談ください。
科学的な根拠に基づいた最適な施術を提案させていただきます。
◾️施術後のご感想
「痺れがほぼなくなり、姿勢も改善!」
夏に腰痛と足の外側のシビレで整形外科を受診した所,坐骨神経痛との診断!一時的な薬ではなく根本改善を目指し金子先生にお願いしました。丁寧で的確な施術のお陰でシビレがほぼなくなり姿勢も改善!親切で信頼できる金子先生に出会えた事に感謝しています。
「脚の痺れがなくなり、いまでは杖をなくても歩くことができます!」
尻もちをついてから痛みを我慢して歩いていました。そのうち足首まで痛み出し踏み出すと激痛が走り歩くことに恐怖を感じるようになってしまいました。痛み止めも効かず、悩んでいたところ、友人より金子先生を紹介していただきました。先生は痛みの原因と治療法を説明してくださり安心し施術を受けることができました。現在は、痛みはなくなり歩くことが楽しくなり、悩んでいた頃が嘘のようです。金子先生、友人には感謝の気持ちでいっぱいです。

高校卒業後に君津市にある千葉医療福祉専門学校へ入学し、国家資格である理学療法士の免許を取得。卒業後は、木更津市にある君津中央病院へ入職し、整形外科・脳外科・神経内科など様々な診療科目におけるリハビリテーションを学びながら2年間勤務。その後、富津市にある加藤大介クリニックに開業から約20年間勤務し約50000万人の方を施術し、それと同時にスポーツトレーナーとして高校野球部をサポート。昨年2024年4月に木更津市に整体oasisを開業。整体業のほかに地域のスポーツ団体にスポーツ障害の予防を指導し、地域で活動中。














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