『体が硬い!』その硬さ、体への影響している⁉︎
結論として、「体が硬い人ほど血管も硬く、動脈硬化が進んでいる可能性が高い」と考えられています。
そこで今回は、
①:柔軟性と血管の硬さの関係
・体の硬さは血管の硬さに比例する
・柔軟性が血管を若返らせるメカニズム
・体を硬くする原因となる要因と食事
・柔軟性アップのための食事のコツ
②:ストレッチの効果的な方法
・1回のストレッチ時間(秒数)
・セット数と休憩時間
・1日の頻度
③:柔軟性アップのための食事のコツ
・血管の柔軟性を高める食事のポイント
・積極的に撮りたい栄養素と食品
・血管の柔軟性を損なう要因となる食品
・食事の摂り方
についてお伝えしたいと思います。
柔軟性と血管の硬さの関係
1. 体の硬さは血管の硬さに比例する
▶︎動脈硬化との関連
座位体前屈などで測る体の柔軟性が低い中高年は、動脈硬化の傾向が強いという研究結果があります。動脈硬化は、血管が弾力や柔軟性を失って硬くなる老化現象であり、心臓病や脳卒中のリスクを高めます。
▶︎若返りの可能性
柔軟性が低い人でも、継続的なストレッチを続けた場合、血管年齢が10歳近く若返る可能性が示唆されています。
2. 柔軟性が血管を若返らせるメカニズム
ストレッチが血管の柔軟性に影響を与える主なメカニズムは以下の通りです。
①血管拡張物質(NO)の分泌:
➡︎ストレッチにより筋肉やその周囲の血管が繰り返し伸ばされると、血管の内側にある内皮細胞が活性化されます。
➡︎内皮細胞から、血管を柔らかくしたり広げたりする働きを持つ一酸化窒素(NO:エヌオー)という物質が分泌されます。
➡︎このNOの作用により、血管が拡張して血流が改善し、結果的に動脈硬化度の低下につながると考えられています。
②副交感神経の活性化:
➡︎静的ストレッチ(ゆっくり筋肉を伸ばして維持するストレッチ)は、リラックスを促す副交感神経を優位にします。
➡︎副交感神経が優位になると、血管が柔らかくなり、拡張しやすくなります。
ストレッチの効果的な方法
皆さんは、日頃からストレッチを行っていますか?
ストレッチの効果を高めるための回数(セット数)は、持続時間と組み合わせて考えられます。
多くの研究や専門家の意見から導かれる効果的なストレッチの目安は以下の通りです。
1. 1回のストレッチ時間(秒数)
| 時間 | 効果 | 備考 |
| 20〜30秒 | 最も効果的かつ効率的 | 筋肉の緊張が和らぎ、柔軟性の改善が見込める。10秒以下では効果が低いとされる。 |
| 60秒 | 20〜30秒と同程度の効果 | 長く伸ばしても、効果が比例して高くなるわけではないという研究結果がある。 |
2. セット数と休憩時間
最も効果的で効率の良い組み合わせとして推奨されるのは、1つの部位あたり20〜30秒 × 2〜4セットという方法です。
筋肉は伸ばし始めると反射(伸張反射)で元に戻ろうとしますが、20秒程度でその反射が収まり、伸びやすくなります。そのため、一度に長く伸ばし続けるよりも、適度な休憩を挟んで複数セット繰り返す方が、より効果的に柔軟性を改善できると考えられています。
セット間の休憩は一瞬、あるいは短い時間にとどめ、筋肉が冷え切らないうちに次のセットに移ることが推奨されます。
3. 1日の頻度
1日1回、時間をかけて丁寧に行うだけでも十分な効果が得られるという研究結果があります。ただし、朝・昼・晩や入浴後・就寝前など、1日に2〜3回に分けて行うと、より筋肉の緊張を緩和しやすくなるため理想的とも言われます。
【まとめ】ストレッチの効果を最大化する目安
ストレッチの目的(柔軟性改善、疲労回復など)によっても多少異なりますが、一般的に効果が高いとされる具体的な目安は以下の通りです。
| 項目 | 目安 |
| 1セットの時間 | 20秒〜30秒 |
| 1部位のセット数 | 2〜4セット |
| 1日の頻度 | 1日1回(理想は2〜3回) |
| 継続頻度 | 毎日(少なくとも週3〜4回) |
無理なく「心地よい」と感じる範囲で、この時間とセット数を意識して継続することが、最も効果を高める鍵となります。
ストレッチや適度な運動と食事の食べ方を組み合わせることで、血管の柔軟性向上だけでなく、筋肉の柔軟性の改善に役立ちます。
次は、柔軟性を改善させる食事についてお伝えしたいと思います。
柔軟性アップのための食事のコツ
次は、血管の柔軟性を高めるための食事のポイントと、積極的に摂りたい栄養素、控えたい食品について解説します。
1. 血管の柔軟性を高める食事のポイント
健康でしなやかな血管を保つためには、以下の3つのポイントを意識したバランスの良い食事が基本となります。
✅ 栄養素を過不足なく摂取する
血管の材料となるたんぱく質や、血管を傷つける活性酸素の働きを抑える抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂りましょう。
✅ 血液をサラサラにする
血液中のコレステロールや中性脂肪を適正に保ち、血栓(血の塊)を予防することで、血液がスムーズに流れる環境を整えます。
✅ 血管に負担をかける要因を減らす
塩分、糖質、飽和脂肪酸(動物性脂肪などに多い)の摂りすぎは、高血圧や脂質異常症を引き起こし、血管にダメージを与える原因となるため、控えめにします。
2. 積極的に摂りたい栄養素と食品
血管の柔軟性維持に役立つ主な栄養素と、それらを豊富に含む食品です。
| 栄養素 | 主な働き | 含まれる食品 |
| オメガ3脂肪酸 (DHA・EPA) | 血管の弾力性維持、中性脂肪や悪玉コレステロールの低下、血栓予防 | 青魚(サバ、イワシ、サンマなど)[Image of青魚のDHA・EPA] |
| たんぱく質 | 血管を作る細胞(血管内皮細胞など)の材料となり、血管の再生をサポート | 魚、肉、大豆製品(納豆、豆腐)、卵など |
| 抗酸化成分 (ビタミンA・C・E、ポリフェノールなど) | 活性酸素の働きを抑制し、血管の老化(酸化)を予防 | 緑黄色野菜(かぼちゃ、ブロッコリー)、果物、ナッツ類、お茶(カテキン)など |
| 食物繊維 | 脂質や糖質の吸収を穏やかにし、コレステロールの排出を促進 | 野菜、海藻類(わかめ、昆布)、きのこ類、大豆製品、玄米などの未精製穀類 |
| カリウム | 体内の過剰な塩分(ナトリウム)の排出を助け、高血圧予防に役立つ | 野菜(ほうれん草、イモ類)、果物(バナナ)、海藻類、豆類 |
| ナットウキナーゼ | 血栓を溶かす作用があり、血液をサラサラにする効果 | 納豆 |
3. 血管の柔軟性を損なう要因となる食品
以下の食品や食習慣は、血管の柔軟性を低下させる原因となるため、摂りすぎに注意が必要です。
◯塩分が多い食品:
漬物、干物、加工食品、麺類のスープなど(高血圧の原因となる)
◯飽和脂肪酸が多い食品:
肉の脂身、バター、ラード、生クリームなどの動物性脂肪(悪玉コレステロールを増やす原因となる)
◯糖質が多い食品:
清涼飲料水、菓子、精製された穀類(白米、パンなど)(高血糖・肥満の原因となる)
◯アルコール:
過剰な摂取は血圧上昇や中性脂肪増加の原因となる
4.🍽️ 食事の摂り方の工夫
◯薄味を心がけ、だしや酢などを活用して減塩する。
◯主食、主菜、副菜を揃え、栄養バランスを整える。
◯野菜や海藻類、きのこ類など、食物繊維の多いものを食事の**最初に食べる(野菜ファースト)**ことで、血糖値の急上昇を抑える。
◯水分が不足すると、筋肉や結合組織の潤いが失われ硬くなりやすくなるため、十分な水分補給(水)を心がけることが重要です。
*水の飲み方については過去のブログを参照してみてください
【何故、水が体に重要なのか?水の重要性と1日に必要な摂取量や摂取方法の疑問点を解説】
https://oasis-bodyslinkmind.com/blog/栄養/mizu-sesshu-hito-seitai.html
上記URLをクリックするとページへと進みます。
いかがだったでしょうか?
「体が硬い!」は血管の硬さを表す指標となります。ストレッチは毎日続けることで改善してきますが、なかなか変化がみられない場合は食事面の見直しも必要かもしれません。
いつまでも健康で毎日を過ごせるように、ストレッチと食事に気をつけてみてはいかがでしょうか?
整体院おあしsでは、「自分に合ったストレッチの方法がわからない。」「自分にはどのような筋力トレーニングが効果的か?」「日常の生活でどのようなことに気を付ける必要があるのか?」など、健康になるための方法や手段をお伝えしております。
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高校卒業後に君津市にある千葉医療福祉専門学校へ入学し、国家資格である理学療法士の免許を取得。卒業後は、木更津市にある君津中央病院へ入職し、整形外科・脳外科・神経内科など様々な診療科目におけるリハビリテーションを学びながら2年間勤務。その後、富津市にある加藤大介クリニックに開業から約20年間勤務し約50000万人の方を施術し、それと同時にスポーツトレーナーとして高校野球部をサポート。昨年2024年4月に木更津市に整体oasisを開業。整体業のほかに地域のスポーツ団体にスポーツ障害の予防を指導し、地域で活動中。











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