野球肩でお悩みの方
野球肩は、投球動作を繰り返すことで肩に痛みが生じるスポーツ障害の総称です。
原因は、肩の使い過ぎによる筋肉や腱の炎症、関節の損傷など様々です。症状としては、投球時の肩の痛み、腕を上げる際の痛み、肩の可動域制限などが挙げられます。
痛みは肩関節に生じていますが、肩関節だけでなく肩甲骨との関係が大切です。
今回は野球肩について肩甲骨との関係を含めてお伝えします。
投球時の肩甲骨の役割は?
野球肩と肩甲骨は密接な関係にあります。
肩甲骨は、投球動作において肩関節の動きをサポートする重要な役割を担っており、肩甲骨の動きが悪いと肩関節に過剰な負担がかかり、野球肩を引き起こす可能性があります。
肩甲骨の役割
- 肩関節の安定性:
- 肩甲骨は、肩関節の受け皿として機能し、安定性を保ちます。
- 投球動作では、肩甲骨が適切に動くことで、肩関節にかかる負担を分散させることができます。
- 肩関節の可動域:
- 肩甲骨が滑らかに動くことで、肩関節の可動域が広がり、投球パフォーマンス向上につながります。
- 肩甲骨の動きが制限されると、肩関節の可動域も狭まり、投球動作に悪影響を及ぼします。
- 投球動作の連動性:
- 投球動作は、全身の連動によって行われます。
- 肩甲骨は、体幹から腕への力の伝達をスムーズにする役割を担っています。
肩甲骨の動きが悪いと投球にどのような影響があるか?
- 肩関節への負担増大:
- 肩甲骨の動きが悪いと、肩関節にかかる負担が増大し、筋肉や腱の炎症、関節の損傷を引き起こしやすくなります。
- 投球フォームの乱れ:
- 肩甲骨の動きが制限されると、投球フォームが乱れ、肩関節への負担がさらに増大する悪循環に陥ることがあります。
- 投球パフォーマンスの低下:
- 肩甲骨がスムーズに動かないと、投球のコントロールや球速が低下する可能性があります。
肩甲骨の動きが悪くなる原因は?
投球動作において肩甲骨の動きが悪くなる原因は、主に以下の点が考えられます。
1. 筋肉の柔軟性低下・筋力不足
- 肩甲骨周囲の筋肉(僧帽筋、菱形筋、前鋸筋など)の柔軟性が低下すると、肩甲骨の可動域が制限されます。
- これらの筋肉の筋力不足は、肩甲骨の安定性を損ない、スムーズな動きを妨げます。
2. 投球フォームの問題
- 不適切な投球フォームは、肩甲骨への過剰な負担をかけ、動きを制限します。
- 特に、体幹や股関節の動きと連動していない場合、肩甲骨に負担が集中しやすくなります。
3. 体幹の柔軟性・安定性不足
- 体幹の柔軟性不足は、投球動作全体の連動性を低下させ、肩甲骨の動きに悪影響を及ぼします。
- 体幹の安定性不足は、投球時に力が分散せず、肩甲骨への負担を増大させます。
4. オーバーユース(使いすぎ)
- 投球数の増加や連投による疲労の蓄積は、筋肉の柔軟性低下や筋力低下を引き起こし、肩甲骨の動きを悪くします。
5. 姿勢の問題
- 猫背などの不良姿勢は、肩甲骨の位置を悪くし、動きを制限します。
これらの要因が複合的に絡み合い、肩甲骨の動きを悪くすることがあります。肩甲骨の動きが悪くなると、肩関節への負担が増大し、野球肩などの障害を引き起こすリスクが高まります。
野球肩を防ぐセルフエクササイズ
野球肩を防ぐためには、肩周りの柔軟性を高めるストレッチと、肩甲骨周りの筋肉を鍛えるトレーニングが重要です。
ストレッチ
- 肩甲骨周りのストレッチ
- 肩甲骨を前後に動かす運動
- 肩甲骨を内側に寄せる運動
- 肩甲骨を外側に開く運動
- 肩周りのストレッチ
- 腕を体の前で交差させ、肩の後ろを伸ばすストレッチ
- 腕を頭の後ろに回し、肩の前を伸ばすストレッチ
- 胸の前を伸ばすストレッチ
- 体幹のストレッチ
- 体幹を左右にひねるストレッチ
筋力トレーニング
- 肩甲骨周りの筋力トレーニング
- チューブを使ったローイング
- ダンベルを使ったシュラッグ
- 腕立て伏せ
- 肩周りの筋力トレーニング
- チューブを使った外旋・内旋運動
- ダンベルを使ったショルダープレス
- 体幹の筋力トレーニング
- プランク
- サイドプランク
ポイント
- ストレッチは、反動をつけずゆっくりと行う
- 筋力トレーニングは、正しいフォームで行う
- 痛みを感じたら、すぐに中止する
- 練習前後にストレッチを行い、クールダウンも行う
これらのストレッチと筋力トレーニングを継続することで、肩周りの柔軟性と筋力を高め、野球肩の予防に繋がります。
野球肩においては、肩関節だけでなく肩甲骨との関係が重要です。
野球肩の予防には肩甲骨へのアプローチも必要となってきます。
今回紹介したのは一部です。
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高校卒業後に君津市にある千葉医療福祉専門学校へ入学し、国家資格である理学療法士の免許を取得。卒業後は、木更津市にある君津中央病院へ入職し、整形外科・脳外科・神経内科など様々な診療科目におけるリハビリテーションを学びながら2年間勤務。その後、富津市にある加藤大介クリニックに開業から約20年間勤務し約50000万人の方を施術し、それと同時にスポーツトレーナーとして高校野球部をサポート。昨年2024年4月に木更津市に整体oasisを開業。整体業のほかに地域のスポーツ団体にスポーツ障害の予防を指導し、地域で活動中。
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