足関節と長母趾屈筋の関係
足首の痛み、それは日常生活における小さなストレスから、スポーツによる過度な負荷まで、様々な原因によって引き起こされます。
しかし、その痛みの原因が「長母趾屈筋」にあることをご存知でしょうか?
長母趾屈筋は、足の親指を曲げる役割を持つ筋肉であり、足首の後ろ側を通っています。
この筋肉は、歩行や走行時に地面を蹴り出す動作や、バランスを取る際に重要な役割を果たします。
しかし、過度な運動や足首の酷使、あるいは足の形に合わない靴を履くことなどで、長母趾屈筋に負担がかかり、硬さや炎症、痛みを引き起こすことがあります。
特に、硬くなると足首をそらす動き(背屈運動)の制限が起こります。
その結果、足首、膝、股関節にも影響を及ぼします。
足関節と長母趾屈筋の関係は?
足関節と長母趾屈筋は、密接な関係にあります。
長母趾屈筋は、足関節の動きと足の機能に重要な役割を果たしています。
長母趾屈筋の主な機能
- 母趾の屈曲: 長母趾屈筋は、母趾(足の親指)を曲げる主な筋肉です。歩行時に地面を蹴り出す動作や、バランスを取る際に重要な役割を果たします。
- 足関節の底屈補助: 足関節を底屈(つま先を下げる)動作を補助します。特に、歩行や走行時に推進力を生み出す際に貢献します。
- 足部の安定性: 長母趾屈筋は、足部の内側縦アーチを支え、安定性を保つ役割も担っています。
足関節と長母趾屈筋の相互作用
- 足関節の動きが長母趾屈筋に影響: 足関節の背屈(つま先を持ち上げる)時には、長母趾屈筋腱が伸張されます。この伸張は、歩行時の推進力に繋がります。
- 長母趾屈筋の機能不全が足関節に影響: 長母趾屈筋の筋力低下や柔軟性低下は、足関節の不安定性や可動域制限を引き起こす可能性があります。また、長母趾屈筋腱の炎症(長母趾屈筋腱炎)は、足関節後部の痛みを引き起こすことがあります。
長母趾屈筋のセルフケア
長母趾屈筋のセルフケアは、ストレッチ、筋力トレーニング、マッサージ、そして日常生活での注意点があります。
これらのケアを適切に行うことで、長母趾屈筋の柔軟性と筋力を維持し、足首の痛みを予防・改善することができます。
1. ストレッチ
- 長母趾屈筋のストレッチ:
- 椅子に座り、片足を前に伸ばします。
- 伸ばした足のつま先を、手でゆっくりと体の方へ引き寄せます。
- ふくらはぎから足首、足の裏にかけて伸びを感じる状態を15~30秒間キープします。
- 左右の足を交互に数回行います。
- アキレス腱のストレッチ:
- 壁に両手を付き、片足を後ろに伸ばします。
- 後ろ足のかかとを地面につけたまま、体を壁に近づけます。
- ふくらはぎからアキレス腱にかけて伸びを感じる状態を15~30秒間キープします。
- 左右の足を交互に数回行います。
2. 筋力トレーニング
- タオルギャザー:
- 椅子に座り、床にタオルを置きます。
- 足の指でタオルをたぐり寄せます。
- タオルを十分にたぐり寄せたら、ゆっくりと元に戻します。
- 10~15回を1セットとして、数セット行います。
- カーフレイズ:
- 壁や椅子に手を添えて立ちます。
- 両足のかかとをゆっくりと持ち上げ、つま先立ちになります。
- ゆっくりとかかとを下ろします。
- 10~15回を1セットとして、数セット行います。
3. マッサージ
- 長母趾屈筋のマッサージ:
- 足首の後ろ側からふくらはぎにかけて、指やマッサージボールで優しくマッサージします。
- 特に、硬くなっている部分や痛みを感じる部分を重点的に行います。
- オイルやクリームを使用すると、より効果的にマッサージできます。
4. 日常生活での注意点
- 適切な靴を選ぶ:
- 足に合ったサイズの靴を選び、足への負担を軽減します。
- ハイヒールなど、足に負担のかかる靴はできるだけ避けましょう。
- 長時間の立ち仕事や歩行を避ける:
- 長時間同じ姿勢を続ける場合は、適度に休憩を挟み、足を休ませましょう。
- 足の冷えに注意する:
- 足を温めることで、血行が促進され、筋肉の柔軟性が保たれます。
ストレッチや筋力トレーニングを行う際は、痛みを感じない範囲で行いましょう。
今回ご紹介したセルフケアは一部です。
詳しく知りたい方は、【整体院oasis】までお問い合わせください。

高校卒業後に君津市にある千葉医療福祉専門学校へ入学し、国家資格である理学療法士の免許を取得。卒業後は、木更津市にある君津中央病院へ入職し、整形外科・脳外科・神経内科など様々な診療科目におけるリハビリテーションを学びながら2年間勤務。その後、富津市にある加藤大介クリニックに開業から約20年間勤務し約50000万人の方を施術し、それと同時にスポーツトレーナーとして高校野球部をサポート。昨年2024年4月に木更津市に整体oasisを開業。整体業のほかに地域のスポーツ団体にスポーツ障害の予防を指導し、地域で活動中。
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