長距離のランニングは扁平足の原因となる?【整体院oasis 木更津】

長距離ランニングは扁平足の原因となる?

長距離ランニング、気持ちいいですよね。

ランナーの方の中にも、『扁平足』の方は多いかと思います。

扁平足だと、ランニング後の独特の疲労感、ランニング中には着地のたびに土踏まずが潰れるような感覚があって、足裏全体がじわじわ痛くなってくるんですよね。

特に距離が伸びてくるとアーチがない分、衝撃がダイレクトに膝関節や股関節に響いてくるのも辛いところ。

他のランナーが軽やかに走っているのを見ると、ちょっと羨ましくなったりもします。

実は、長距離のランニングが扁平足の原因になることはご存知でしょうか?

今回は『長距離ランニングと扁平足』についてお伝えします。

足の解剖学

まずは、足がどのように構成されているかを確認してみましょう。

足の骨格

足の骨は、大きく分けて足根骨(そっこんこつ)中足骨(ちゅうそくこつ)**趾骨(しこつ)**の3つの部分に分類されます。

  1. 足根骨 (Tarsals):足首とかかとの部分を構成する7つの骨です。

    • 距骨(きょこつ – Talus): 脛骨(すねの骨)と腓骨(すねの外側の骨)と関節し、足首の動きの中心となる骨です。筋肉の付着はありません。
    • 踵骨(しょうこつ – Calcaneus): かかとの骨で、足の中で最も大きく、地面からの衝撃を受け止めます。アキレス腱が付着します。
    • 舟状骨(しゅうじょうこつ – Navicular): 土踏まずの内側に位置し、内側縦アーチの形成に関わります。後脛骨筋腱が付着します。
    • 立方骨(りっぽうこつ – Cuboid): 足の外側に位置し、外側縦アーチの形成に関わります。
    • 楔状骨(けつじょうこつ – Cuneiforms (内側、中間、外側)): 親指側から3つの骨が並び、中足骨と関節します。内側縦アーチの維持に重要です。
  2. 中足骨 (Metatarsals):足の甲の部分を構成する5つの細長い骨です。親指側から第1中足骨~第5中足骨と呼ばれます。

  3. 趾骨 (Phalanges):足の指の骨です。

    • 親指(第1趾)には**基節骨(きせつこつ – Proximal phalanx)末節骨(まっせつこつ – Distal phalanx)**の2つがあります。
    • 第2趾~第5趾には、基節骨中節骨(ちゅうせつこつ – Middle phalanx)末節骨の3つがあります。

また、親指の付け根には**種子骨(しゅしこつ – Sesamoid bones)**と呼ばれる小さな骨が2つあり、腱の動きを滑らかにする役割があります。

 

 

足の筋肉

足の筋肉は、足の動きや安定性を保つために非常に重要です。

下腿(膝から下の部分)にある筋肉が腱を介して足の骨に付着し、足首や足指の動きを制御しています。また、足の裏にも小さな筋肉が多数存在し、足のアーチを維持したり、足指の細かい動きを制御したりしています。

  • 下腿の筋肉(主なもの)
    • 前脛骨筋(ぜんけいこつきん – Tibialis anterior): 足首を背屈(つま先を上げる)させる
    • 後脛骨筋(こうけいこつきん – Tibialis posterior): 足首を底屈(つま先を下げる)、内反させる、内側縦アーチを支える
    • 腓腹筋(ひふくきん – Gastrocnemius): 足首を底屈させる
    • ヒラメ筋(ひらめきん – Soleus): 足首を底屈させる
    • 長腓骨筋(ちょうひこつきん – Peroneus longus): 足首を底屈、外反させる、外側縦アーチを支える
    • 短腓骨筋(たんひこつきん – Peroneus brevis): 足首を底屈、外反させる
    • 長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん – Flexor hallucis longus): 親指を曲げる、足首を底屈させる
    • 長趾屈筋(ちょうしくっきん – Flexor digitorum longus): 第2~5趾を曲げる、足首を底屈させる
    • 長母趾伸筋(ちょうぼししんきん – Extensor hallucis longus): 親指を伸ばす、足首を背屈させる
    • 長趾伸筋(ちょうししんきん – Extensor digitorum longus): 第2~5趾を伸ばす、足首を背屈させる
  • 足底の筋肉(固有足筋):内側群、中央群、外側群に分けられ、足のアーチの維持や足指の細かい動きに関わります。

足の関節

足には多くの関節があり、複雑な動きを可能にしています。

  • 足関節(そくかんせつ – Ankle joint): 脛骨、腓骨、距骨で構成され、主に足首の底屈・背屈運動を行います。(距腿関節 – きょたいかんせつ
  • 距骨下関節(きょこつかかんせつ – Subtalar joint): 距骨と踵骨の間にある関節で、足の内返し・外返し(回内・回外)の動きに関わります。
  • 横足根関節(おうそっこんかんせつ – Transverse tarsal joint (Chopart’s joint)): 距骨と舟状骨の間、踵骨と立方骨の間にある関節で、足部の回内外運動を助けます。
  • 足根中足関節(そっこんちゅうそくかんせつ – Tarsometatarsal joints (Lisfranc joint)): 足根骨と中足骨の間にある関節で、足の安定性に寄与します。
  • 中足趾節関節(ちゅうそくしせつかんせつ – Metatarsophalangeal joints (MTP joints)): 中足骨と基節骨の間にある関節で、足指の曲げ伸ばしや開閉運動を行います。
  • 趾節間関節(しせつかんかんせつ – Interphalangeal joints (IP joints)): 指の骨(基節骨、中節骨、末節骨)の間にある関節で、指の曲げ伸ばしを行います。(親指にはIP関節、他の指にはPIP関節とDIP関節があります。)

足のアーチ

足には3つのアーチがあります。

①内側縦アーチ
②外側縦アーチ
③横アーチ  *横アーチは2つあります

歩行時の衝撃吸収や体重分散、推進力の発生に重要な役割を果たします。

これらのアーチは、骨の形状、靭帯、筋肉によって維持されています。

フルマラソン後にはアーチが低下する?

あるデータでは、フルマラソン後に土踏まず(内側縦アーチ)を構成する重要な骨『舟状骨』が約3.5㎝低下するというデータがでています。

これは、足部筋の疲労が関係しています。

内在筋(手足の領域内で起始と停止がある比較的浅く位置する筋肉)
   :母趾外転筋、短趾屈筋、足底方形筋

外在筋(身体の一部、例えば手や足の外側に起始がありその部分の動きを間接的に制御する筋肉)
   :長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾屈筋

このアーチの低下は、足のアーチを支える内在筋・外在筋が、フルマラソン後に疲労することで起こります。

この筋肉たちが回復するまでにはかなりの時間を要するというデータも出ています。

また、内側アーチの低下は、ランニング障害の発生要因の一つと言われています。

この状態が続くと、足とシューズの適合性を競技中に変化させてしまい、『靴擦れ』や『爪のトラブル』を引き起こす可能性があり、靴擦れは膝のオーバーユース障害(下記参照)を起こす可能性が高くなります

 

*膝のオーバーユース障害

  • 鵞足炎:
    膝の内側にある鵞足と呼ばれる部分に炎症が起こる障害です。ランニングやジョギングでよく見られます
     
  • 腸脛靭帯炎(ランナー膝):
    膝の外側にある腸脛靭帯に炎症が起こる障害です。ランニングやジョギングでよく見られます。
     

アーチの低下を予防する方法は?

アーチの低下を予防するための手段としては、セルフケアやインソール(足底挿板)が有効です。

●セルフケア

1:マッサージ

・ふくらはぎのマッサージやテニスボールやゴルフボールを足の裏で転がす

・ふくらはぎを全体的にマッサージをする

2:インソール(足底挿板)

・日頃のランニングからインソールを入れることで足のアーチをサポートし、負担を軽減させる

当院は、その方に合ったオリジナルのインソールを作成しております。

 

 

オリジナルインソール制作

 

お客様の声

お悩み:膝痛・パフォーマンスアップ

サッカーのプレー中に膝を怪我してしまい痛みと曲げにくさで思うようなプレーができずoasisで治療してもらいました。治療は結構ほぐれて動きやすくなり、痛みはだいぶ和らぎました。インソールの効果もあって、靴の中で足がぶれずに動きやすく、俊敏な動きが出来るようになり、パフォーマンスUpしています。また、新しい靴になったら作成してもらいたいです。

※個人の感想です。効果効能を保証するわけではありません。

 

 

お悩み:腰痛 パフォーマンスアップ

インソールを作る時に、バッシュの履き方だったり、ひもの通し方などタメになる事と沢山教えていただきました。ものすごく勉強になりました。入れてからは、入れる前に比べてストップが効くようになり、プレーがしやすくなったと感じています。

ありがとうございました!

※個人の感想です。効果効能を保証するわけではありません。

 

スポーツをはじめ、足のトラブルでお悩みの方、「セルフケアの方法を知りたい」「オリジナルインソールを作成したい」など、ありましたらお気軽にご相談ください。

 

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ABOUT US
金子 隆一
高校卒業後に君津市にある千葉医療福祉専門学校へ入学し、国家資格である理学療法士の免許を取得。卒業後は、木更津市にある君津中央病院へ入職し、整形外科・脳外科・神経内科など様々な診療科目におけるリハビリテーションを学びながら2年間勤務。その後、富津市にある加藤大介クリニックに開業から約20年間勤務し約50000万人の方を施術し、それと同時にスポーツトレーナーとして高校野球部をサポート。昨年2024年4月に木更津市に整体oasisを開業。整体業のほかに地域のスポーツ団体にスポーツ障害の予防を指導し、地域で活動中。