「膝関節ってどんな関節?」膝関節の機能を理学療法士の国家資格を保有する院長が解説【整体院oasis 木更津】

膝関節ってどんな関節?

膝関節は、私たちの体の中で最も大きく、かつ重要な関節の一つです。

膝は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)が接続する部分で、膝蓋骨(ひざのお皿)も関与しています。この関節は、歩く、走る、ジャンプするなど、日常生活のさまざまな動作に欠かせない役割を果たしています。

膝関節は、主に屈曲(曲げる動作)と伸展(伸ばす動作)を行いますが、少しの回旋(ひねる動作)も可能です。このため、膝関節は非常に柔軟性があり、さまざまな動きに対応できるようになっています。しかし、その柔軟性ゆえに、膝関節は怪我をしやすい部位でもあります。特にスポーツをする人や高齢者は、膝の痛みや損傷に悩まされることが多いです。

膝関節の構造は複雑で、靭帯や半月板、関節包などが含まれています。靭帯は関節を安定させる役割を果たし、半月板は衝撃を吸収し、関節の動きをスムーズにします。これらの構造が正常に機能することで、膝関節は健康を保ち、日常生活を快適に過ごすことができます。

膝関節の健康を維持するためには、適度な運動やストレッチが重要です。また、体重管理や栄養バランスの取れた食事も、膝にかかる負担を軽減するために役立ちます。

膝関節の機能について細かくご説明いたします。

膝関節の回旋運動とは?

膝関節は、主に屈伸運動を行う関節として知られていますが、実は回旋運動も重要な役割を担っています。

回旋運動とは、膝関節を軸にして、脛骨(すねの骨)が内側または外側に回転する動きのことです。この動きは、膝関節の安定性を保ち、スムーズな屈伸運動をサポートするために重要な役割を果たしています。

回旋運動の種類

●内旋: 脛骨が内側に回転する動き

●外旋: 脛骨が外側に回転する動き


回旋運動が起こるタイミング

膝関節の回旋運動は、主に以下のタイミングで起こります。

●屈伸運動に伴う回旋: 膝を曲げ伸ばしする際に、脛骨が内旋または外旋します。

●終末回旋運動(screw home movement、SHM): 膝が完全に伸びきる際に、脛骨が
                          外旋し、膝関節が安定します。

●歩行動作中の回旋: 歩行中に、膝関節が屈伸する際に、脛骨が内旋・外旋を繰り返します。

回旋運動の重要性

●膝関節の安定性: 回旋運動は、膝関節の安定性を保ち、怪我を予防する役割があります。

●スムーズな屈伸運動: 回旋運動は、膝関節の屈伸運動をスムーズに行うために必要です。

●衝撃吸収: 回旋運動は、歩行やジャンプなどの際に、膝関節にかかる衝撃を吸収する役割が
      あります。

回旋運動の異常

膝関節の回旋運動が正常に行われない場合、様々な問題が生じる可能性があります。

●膝の痛み: 回旋運動の異常は、膝の痛みや違和感の原因となることがあります。

●膝関節の不安定性: 回旋運動が正常に行われないと、膝関節が不安定になり、怪我をしやすくなることがあります。

●歩行障害: 回旋運動の異常は、歩行動作に支障をきたすことがあります。

膝関節の回旋に関係するふとももとふくらはぎの筋肉は?

ハムストリングスと腓腹筋は、どちらも膝関節の屈曲(曲げる)運動に関わる筋肉ですが、回旋運動においては異なる役割を果たしています。

ハムストリングス

ハムストリングスは、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の3つの筋肉の総称で、太ももの裏側に位置しています。

▶︎主な機能:

 ●膝関節の屈曲

 ●股関節の伸展(足を後ろに振り上げる)

▶︎回旋運動における機能:

 ●膝関節が屈曲した状態から、脛骨を内旋させる(膝を内側に捻る)

 ●膝関節が伸展した状態では、脛骨の回旋運動を制御する

 

腓腹筋

腓腹筋は、ふくらはぎの表層にある筋肉で、内側頭と外側頭の2つの部分に分かれています。

▶︎主な機能:

 ●膝関節の屈曲

 ●足関節の底屈(つま先を下げる)

▶︎回旋運動における機能:

 ●膝関節が屈曲した状態から、脛骨を外旋させる(膝を外側に捻る)

 ●膝関節が伸展した状態では、脛骨の回旋運動を制御する

ハムストリングスと腓腹筋の協調運動

ハムストリングスと腓腹筋は、膝関節の回旋運動において互いに拮抗し、協調して働きます。

 ●膝関節の屈曲時には、ハムストリングスが脛骨を内旋させ、腓腹筋が脛骨を外旋させる
  ことで、膝関節の安定性を保ちます。

 ●膝関節の伸展時には、ハムストリングスと腓腹筋が共同して脛骨の回旋運動を制御し、
  膝関節の安定性を高めます。

回旋運動の重要性

膝関節の回旋運動は、歩行や走行などの動作において、バランスを保ち、スムーズな運動を可能にするために重要な役割を果たしています。

 

膝関節の回旋運動に関係するハムストリングスのエクササイズ方法1例

ブリッジ運動は、仰向けに寝て膝を立て、お尻を持ち上げる運動です。

▶︎方法

両膝は約90°くらいにまげます。
お尻は地面から1㎝持ち上げるイメージで行います(高く上げると腰で代償してしまいます)
骨盤が傾かないように、その状態で10秒から20秒姿勢を保持します

*イメージ

 

まとめ

  • ハムストリングスは、膝関節屈曲時に脛骨を内旋させる。
  • 腓腹筋は、膝関節屈曲時に脛骨を外旋させる。
  • ハムストリングスと腓腹筋は、協調して膝関節の回旋運動を制御し、安定性を保つ。

 

膝関節は曲げ伸ばしの動きの中に回旋運動も関わってきます。そのため、健康な膝関節を維持するために重要な要素の一つです。ハムストリングスと腓腹筋の機能を理解し、適切なケアを行うことが大切です。

 

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ABOUT US
金子 隆一
高校卒業後に君津市にある千葉医療福祉専門学校へ入学し、国家資格である理学療法士の免許を取得。卒業後は、木更津市にある君津中央病院へ入職し、整形外科・脳外科・神経内科など様々な診療科目におけるリハビリテーションを学びながら2年間勤務。その後、富津市にある加藤大介クリニックに開業から約20年間勤務し約50000万人の方を施術し、それと同時にスポーツトレーナーとして高校野球部をサポート。昨年2024年4月に木更津市に整体oasisを開業。整体業のほかに地域のスポーツ団体にスポーツ障害の予防を指導し、地域で活動中。