股関節痛の大腰筋との関係とセルフケアについて理学療法士の国家資格を持つ整体師が解説【整体院oasis 木更津】

股関節痛でお悩みの方へ

大腰筋は股関節の奥深くにある筋肉で、股関節の動きに大きく関わっています。そのため、大腰筋の柔軟性や筋力の低下は、股関節痛の原因となることがあります。

 

大腰筋の機能は?

大腰筋は、人体の深部に位置する重要な筋肉であり、腰椎と大腿骨を結び、股関節の動きや姿勢維持に大きく関与しています。
解剖学的な視点から、その機能について詳しく説明します。

1. 起始と停止

  • 起始:
    • 大腰筋は、腰椎の椎体側面と横突起から起始します。具体的には、第12胸椎から第5腰椎までの椎体と、それぞれの椎体から伸びる横突起に付着しています。
  • 停止:
    • 大腰筋は、大腿骨の内側にある小転子と呼ばれる部位に停止します。

2. 支配神経

  • 大腰筋は、腰神経叢(ようしんけいそう)から分岐する神経によって支配されています。主にL2からL4の神経根が関与しています。

3. 主な機能

  • 股関節の屈曲:
    • 大腰筋の最も主要な機能は、股関節を屈曲させることです。これは、足を前に振り出す動作や、膝を胸に引き寄せる動作など、日常生活の多くの場面で見られます。
  • 腰椎の安定化:
    • 大腰筋は、腰椎に付着しているため、腰椎の安定化にも貢献します。特に、立位姿勢を維持する際に、腰椎を支える重要な役割を果たします。
  • 体幹の安定:
    • 大腰筋は、上半身と下半身をつなぐ筋肉であるため、体幹の安定性にも寄与します。
  • 股関節の外旋:
    • 股関節を外側に開く外旋の作用もあります。

4. 大腰筋と姿勢

  • 大腰筋は、姿勢維持に深く関わっています。大腰筋が硬くなったり、弱くなったりすると、骨盤の前傾や後傾を引き起こし、腰痛や姿勢不良の原因となることがあります。
  • 特に現代社会では、デスクワークや長時間の座位姿勢によって大腰筋が硬くなりやすい傾向があります。

5. 大腰筋と歩行

  • 歩行時に足を前に振り出す際に大腰筋が働きます。
  • 大腰筋が硬くなると歩幅が狭くなりやすいです。

6. 大腰筋と呼吸

  • 大腰筋は横隔膜と連結している為呼吸にも関係しています。

大腰筋は、股関節の動きだけでなく、姿勢や歩行、呼吸にも深く関わる重要な筋肉です

大腰筋と股関節痛の関係は?

大腰筋と股関節痛の関係

  • 大腰筋の緊張:
    • 長時間のデスクワークや運動不足などにより、大腰筋が緊張し硬くなることがあります。
    • 硬くなった大腰筋は、股関節の動きを制限し、痛みや不快感を引き起こすことがあります。
  • 大腰筋の筋力低下:
    • 大腰筋の筋力が低下すると、股関節の安定性が損なわれ、股関節に負担がかかりやすくなります。
    • これにより、股関節痛や腰痛を引き起こすことがあります。

大腰筋の状態をチェックする方法

  • うつ伏せで足を持ち上げます
  • 仰向けで膝を曲げて横に倒します(開排姿勢)

足の上げ辛さや開きずらさがないかを確認します

大腰筋のケア方法

  • ストレッチ:
    • 大腰筋のストレッチは、柔軟性を高めるのに効果的です。
  • 筋力トレーニング:
    • 大腰筋の筋力トレーニングは、安定性を高めるのに役立ちます。
    • 無理のない範囲で、継続して行いましょう。
  • 姿勢の改善:
    • 日常生活で正しい姿勢を意識することで、大腰筋への負担を軽減できます。

大腰筋のケアは、股関節痛の改善だけでなく、腰痛予防にもつながります。

大腰筋とスポーツパフォーマンスの関係は?

大腰筋は、スポーツパフォーマンスにおいても非常に重要な役割を果たします。
その機能は多岐にわたり、様々なスポーツ種目でパフォーマンス向上に貢献します。

大腰筋の主な機能とスポーツパフォーマンスへの影響

  • 股関節の屈曲:
    • 大腰筋は、股関節を屈曲させる主要な筋肉です。
    • 短距離走のスタートダッシュや、サッカーのキック動作、バスケットボールのジャンプなど、多くのスポーツで爆発的な力を発揮するために不可欠です。
    • 大腰筋の筋力と柔軟性が向上することで、これらの動作のスピードとパワーが向上します。
  • 体幹の安定性:
    • 大腰筋は、体幹の安定性を維持する役割も担っています。
    • 体幹が安定することで、力の伝達がスムーズになり、より効率的な動作が可能になります。
    • 特に、体幹の安定性が求められる体操、格闘技、野球などのスポーツにおいて、大腰筋の重要性は高まります。
  • 姿勢の維持:
    • 大腰筋は、正しい姿勢を維持する上で重要な役割を果たします。
    • 正しい姿勢は、バランス能力を高め、怪我のリスクを軽減します。
    • ランニング、ジャンプ、着地など、様々な動作において、適切な姿勢を維持するために大腰筋が貢献します。
  • 歩行とランニング:
    • 大腰筋は歩行やランニングにおいて、足を前に振り出す際に主要な役割を果たします。
    • 大腰筋の柔軟性や筋力が高いと、歩幅が広くなりやすく、ランニングフォームも安定しやすくなります。

大腰筋とスポーツパフォーマンス向上のためのトレーニング

  • 筋力トレーニング:
    • レッグレイズ、ヒップリフト、ランジなど、大腰筋を鍛えるトレーニングは、筋力向上に効果的です。
  • ストレッチ:
    • 大腰筋の柔軟性を高めるストレッチは、可動域を広げ、パフォーマンス向上と怪我予防に役立ちます。
  • 体幹トレーニング:
    • プランク、サイドプランクなど、体幹を安定させるトレーニングは、大腰筋の機能を最大限に引き出すために重要です。

大腰筋とスポーツパフォーマンスに関する研究

  • 研究により、短距離走選手の大腰筋の断面積と走行速度には正の相関関係があることが示されています。
  • また、大腰筋の柔軟性が高い選手は、ジャンプ力やバランス能力が高い傾向にあることが報告されています。

大腰筋は、スポーツパフォーマンスを向上させるために不可欠な筋肉です。適切なトレーニングとケアを行うことで、より高いレベルのパフォーマンスを目指すことができます。

大腰筋は股関節痛に関係しているだけでなく、スポーツにおいても非常に関係がある筋肉です。
この筋肉の機能が悪くなると日常の生活に大きな支障をきたします。

日頃からのケアが大切な筋肉です。
ストレッチや筋力トレーニングを行なって良い状態を維持していきましょう!

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ABOUT US
金子 隆一
高校卒業後に君津市にある千葉医療福祉専門学校へ入学し、国家資格である理学療法士の免許を取得。卒業後は、木更津市にある君津中央病院へ入職し、整形外科・脳外科・神経内科など様々な診療科目におけるリハビリテーションを学びながら2年間勤務。その後、富津市にある加藤大介クリニックに開業から約20年間勤務し約50000万人の方を施術し、それと同時にスポーツトレーナーとして高校野球部をサポート。昨年2024年4月に木更津市に整体oasisを開業。整体業のほかに地域のスポーツ団体にスポーツ障害の予防を指導し、地域で活動中。